こんにちは。ためまっぷ世話人の清水です。
12月14日(水)18時〜20時 、NPO法人うべ環境コミュニティ主催の環境サロンにて地域活動の情報伝達についての講演してまいりました。
山口大学 名誉教授で、うべ環境コミュニティー代表、浮田正夫先生からお声掛けいただき、今回は「伝えたい情報を、伝えたい人に届ける」という題名で、ためまっぷプロジェクトを通して学んだことをお話させていただきました。
場所は宇部市まちなか環境学習館にて、参加者は、市議会議員が1名、自治体職員が2名、まちおこし関係者数名、中高生が5名ほど、その他環境団体関係者約10数名で計20数名。スマホ利用者は約75%で、比較的万遍ない層の皆様のご参加でした。
講演の概要
地域の情報伝達で問題になっているのが、特に受け取り手の「情報へのアクセス」の不便さであることをお伝えしました。
現在の社会で以前より大きく変わったことは、情報へのアクセスの容易さです。10代から50代までネットに慣れた人は常に「着地型」になってきていることです。場所や道を調べるのも、飲食店を調べるのも、行った先のその場・その時で検索して行動します。スマートフォンがそれを更に加速させました。それだけ便利になったということですが、そこで埋もれてしまっているのが地域の情報です。そこに住む人たちです。
それと情報伝達の中でも「イベントの情報」が人をつなぐ大事な役割をしているという点です。
特に小さなイベントは、
・実施者の(費用や労力の)負担を減らし、小さなスペースで参加できる人数は少なくても、小刻みに行うことができます。
・その場で直接会うことで会話もしやすく、親密な関係をつくることができます。
・また知り合いを連れてきてもらうこともできて、クチコミで広がっていくこともできます。
・頻度が多くなると自然と時間の空いている時に来れる「近く」の人に絞られます。
実際にはそれほど簡単ではないにしても、まずイベントの情報がきちんと伝えられないと、何がよくないかの反応すらわかりません。
次に、それらを根本的に改善するための方法として、ソーシャルな方法が必要であることをお話しさせていただきました。
検索サービスがそうですが、受け手はソーシャルでより多くの情報があることを好みます。
検索エンジンはある意味でソーシャルです。公共のものか個人のものかを区別せず一律公平です。
そして中高校生の利用で一番耳にするのはTwitter検索で、地域情報をリアルタイムな個人発信の情報から得ています。
しかし地域イベントは、そもそもキーワードを知らないためなかなか調べられず埋もれています。
地域イベントの情報を「今日以降、近所」に着目して、カテゴリーはややアバウトに見れる必要があります。
そういったところを軸にお話しさせていただきましたが、参加者の中にも「伝わらない」の声があり、深く感じたことが二つあります。
【他者への興味関心と協力】
伝えようとしても伝わらない原因の一つに、自分側の情報ばかり伝えることに気を取られて他の人が実施しているイベントにあまり興味を持っていなさそうなことが関係しているのではと気になりました。
自分の発信と合わせて、他者が発信する活動の情報も協力して発信することで、相互に情報が広がります。情報の厚みが増すと、その人自身が情報HUB(集中して効率よく分散する役割)として発信力を増す事例があります。ただ、その伝えたい人も他者を知るために簡単に使えるプラットフォームはまだありません。
【真意との不一致】
見る側は特にカテゴライズされたものを求める傾向がありますが、意外なところに自分の求めたものがあるのではと感じられたことです。
これらについてはまだまだ考察の余地がありますが、お話させていただく中で自分の学びとなった貴重な機会となりました。
お声掛けいただいた浮田先生始め、うべ環境コミュニティの皆様、ご参加いただいた皆様に感謝です。
リンク:宇部市の環境学習ポータルサイト「うべっくる」